Weekend Painter - Aya Sakagami

ちまたでじろうちゃんとよばれる、週末画家の活動のお知らせです。

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TRUE HEART

今回は、ショートストーリー仕立てで行きまーす。

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「っていうか、なんでこんなバーチャルなところでしんどくならなきゃだめなんだろーね。」

ふすま越しに漏れたため息まじりの言葉が耳に止まる。深夜の廊下、妹の長電話はもうかれこれ3時間。電話の向こうは男らしく、服はジャージなのに猫撫で声を交えた声は一張羅だ。

バーチャルは、いつの間に手段に変わったのか…。DS片手に公園に集まる子供の珍妙さに慣れた頃、リアルの人間関係を持ち込ませる、ムチャなwebサービスが日本を席巻しはじめる。

ピグ内のチャットが面倒になったのか。飲みでしっぽり盛り上がった男女がいつの間にか消えている、逃避行めいた光景を彷彿とさせる会話が、リアルに映って妙だった。妙。俺にはわかりにくい感覚だが、妹は手応えのなさを感じているようだった。

まだまだ続く長電話を背に、煙草に火を付ける。

俺の初恋の相手はゲームのヒロイン。平成生まれは知らないキャラクターだろう。パソコンが一般家庭に普及し始めた頃、恋愛シミュレーションという小っ恥ずかしいジャンルが流行していた。その後、ネズミ算式に次々生み出される似たような娘は薄っぺらくなり、今の初音ミクなんて完全に表現の手段だ。歳取ったせいもあってかオカズにもならない。

思い出した。高校のとき、漫研の機関誌にこんな掌編があった。不覚にも熱い思いが芽生えたゲームのヒロインが、校門の前で待っていて……あとは忘れたが、別れ際に放った彼女の台詞。「私の存在はつくりものだけど、想いは、心は本物だから…」

夢中になったあのヒロインと俺、ピグ友と妹。真ん中がスパンと空いているような、本物の心がどこにあるかわからない虚ろな関係、妹とピグ友は本物なのか、俺の体験も心もニセモノか?俺だってその時は本気だったし、そのせいか、ほれ未だ童貞だ、 あれなんで俺、童貞の言い訳してんだ、、、

いつもより強い煙草の煙をフーッと吐くと、煙の中に初恋のヒロインが映った。

俺はマッチ売りの少女か。

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続き欄にいいわ…、いえ、後書き。

この話は、半分ノンフィクションです。

正に冒頭の言葉が耳に止まり気になってしまい、考察したいけど、論としてまとまらないんで、少し膨らませてストーリー仕立てにしました。すこし消化不良になってるかもしれません。作中に出てきた、漫研の機関誌の話を書いたのも、15歳の私です!(笑)

久しぶりにSSを書いたわ…。