いとおしき、オープンアトリエ
かわいらしい少女画を描かれる大槻香奈さんの「オープンアトリエ」に行ってきました。
「オープンアトリエ」とはライブペイントのようなものを想像しますが、ギャラリーを自身のアトリエにしてしまおうという大胆な発想の企画。何度か通うといただける「記録片」なるノベルティ、アトリエや作品が変化していく様子の写真、オープンアトリエで出来上がった作品のポストカード、ギュッと詰まっていて「いとおしさ」を感じました。
「いとおしさ」を感じたのはなぜだろう、アトリエの変化の一部を生で見られて、少しだけお話した大槻さんのきさくなお人柄、たくさんの作品やイメージが生まれていく場や関わった人のチカラを感じたからです。またかりにも絵を描いている人間として共感した部分もあるのかもしれません。
「お家」をテーマに作られたアトリエは、描きかけの絵に紛れてスプラトゥーンの音楽が流れ、おばあさんの形見だというかわいらしい置物なども置いてあり、いつものギャラリー独特の張り詰めた緊張感がまったくもってなくなっていました。
初めて訪れた時は、大槻さんの絵を見るのも初めてで、在廊されていなかったのですが、絵描きの圧倒的なチカラをビシビシと感じ圧倒されました。本来知り得ない制作の様子やバックボーンには想像もできないいろんなモノが詰まっているんだということを見てしまった。アイデアスケッチブックもこれ作品ですよね??と思ってしまうぐらいの密度でした。
職場の近くであることをいいことに、変化が気になってついつい何度も通っていたのですが、目玉?である100号サイズの制作も圧巻でしたが、もう会期中に完成させない、という判断も「おっ」と思いました。自分なら絶対完成させる!と躍起になってしまうんじゃないかと。でもコレはあくまでオープンアトリエで100号完成のためのアトリエではないのだから。
大槻さんは会期中に学生や駆け出しの作家の相談を受けられていたそうです。
作家が作品を生み出す行為をもっとオープンにしていくと、観る側ももしかしたら受け身じゃなくなって、価値がより見いだしやすくなって、最終的に作品を買うことにつながるかもしれないなぁと。その価値は作品が生まれることへの「いとおしさ」かもしれません。
(作品を生み出す行為をどうやってオープンにしていくかという問題は置いております。大槻さんの真似をしても誰でもが成立させられるとはとても思えない)
わたしは通ううちに、密かに、勝手に、アトリエの住人面しておりました〜。
※オープンアトリエの写真は許可を得て掲載しています。
絵の練習帳 Road to Onsa
2011年のおんさ展に参加するための、絵の練習帳が出てきたので懐かしく見ておりました。
大きなテーマは「音楽」で、目で見る「絵」を使ってどうやって耳で聞く「音楽」を表現しようと、もちろん絵の練習をしたり、自分で音楽とのつきあい方や思い出を振り返ったり、知り合いの方々に音楽について聞いたりしました。
ちなみに出来上がった絵はこちら。iTohenさんに展示されました。
一枚の絵の中にいろんなことを考えたり探ったり聞いたり思い出したり、ソーイングギャラリーでの文章のワークショップで文章を書いていた感じを思い出しました。そういえば講師・永井宏さんに教えて頂いた文章の書き方で、絵が描けないだろうかと描き始めたのもこの頃です。
練習帳はポートフォリオの代わりに会場に置いてもらったので、絵の説明などを載せたのですが、スペシャルサンクスに永井さんの名前を勝手に入れてありました。
また思い出した時にFlickrに載せたいと思います。